5月連休の尾瀬(尾瀬-1)(群馬)

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1965.04.30日 〜 05.03
同行者 M.A., W.T.

04.30  

新大阪 8.00 発 東京 12.00

05.01  

上野 0.30 発 沼田駅前 5.30 発−大清水 7.55−三平峠−沼尻−尾瀬小屋

05.02  

尾瀬小屋−富士見峠−戸倉 東京


5月1日(土)晴
大清水まで来ると雪がかなり多い。バス停付近のあちこちでパーティーが朝食の準備。付近の食堂はまだシーズンオフで開店していない。我々はメシを炊く時間を惜しんで出発。自動車道が終わる頃から急に雪が多くなり、しばらく行くと白一色。
腹はへるがメシを炊くにはまず雪を溶かさねばならず、小さなパンを一つづつ食べて気をまぎらわす。三平峠からは燧の姿がすばらしい。雪の急な斜面を降りきると小屋が二軒、軒先まで雪にうずまって細々と煙を上げている。積雪量を表示する棒が立っており、それによると現在約 2.5m。
小屋の前の尾瀬沼は一面の雪の原。長蔵小屋を通らずに真っ直ぐ凍った池の上を横断して沼尻小屋に向かう。正面に燧岳を望む。これだけ広く何もないと、海の上と同じで距離的な感覚がまったくなくなり、すぐそこに目的地が見えているのに近づかない。後ろを振り返ると、真っ直ぐ歩いているつもりの足跡が非常に蛇行している。
やっとの思いで沼尻小屋まで着いたが、ここも屋根まで雪に埋まり、まだ営業していない。正午頃、腹はますます減って雪を溶かしてメシを炊くことにするがなかなか雪も溶けず、ここであまり燃料を使うと明日の行程にさしつかえるのであきらめ、キャラメルだけをしゃぶり、しばらく乾いた屋根の上にねころんで、日向ぼっこをしてから十字路に向けて出発。
ここから急に人影が少なくなり、道は曲がりくねるので前にも後にも話し声さえ聞こえない。完全に雪だけだが、ずっと足跡がついており、迷うことはない。峠を越え、ブナの林をしばらく行くと木を切る音が聞こえ、やがて前方に小屋が見える。人影も見え、ありがたや営業していそうだ。まず戸口にたって「食事できますか?」
2時半頃、今から三条の滝へ行く元気も出ず、いろりのほとりで碁を打って過ごす。
 
5月2日(土)
窓の外に大きなつららがぶら下がっている。予定どうり雪の中を山の鼻まで行くか、それともすぐ富士見峠にぬけるか迷うところだが、宿で一緒になったものの言うには、富士見峠に行く途中、水芭蕉の芽が見られるということと、菖蒲平が非常にきれいだということで、富士見峠を越すことに決める。
正面の至仏山が真っ白なきれいな斜面を見せる。雪が溶けると一面の湿原で、丸太の上しかとうれないのだろうが、今は一面の雪で道も何もあったものじゃない。竜宮小屋から山道へかかる途中、小さな池が顔を出しており、水芭蕉の芽らしき物があちこちに首をもたげている。
山道へかかると点々と野ウサギの足跡。人間の足跡よりずっと多いところもある。下ってくるパーティーに一回会っただけで、人気は少ない。富士見峠から少し入ったところ、雪のくぼ地に腰をすえ、燧岳を見ながらコーヒーをわかす。
菖蒲平につくと急に視野が開ける。360 ゜の展望。どこもここも雪をスッポリとかぶり、幾重にも山が連なっている。南面は雪崩の跡があり、まだなおも深い割れ目が残っている。
下りは雪の中を走るようにしておりる。適度の柔らかさの雪で滑ることもなく、クッションがきいて足が少しも痛まない。富士見下を過ぎると雪が少なくなって地面も見えてくる。崖崩れの復旧もしてなく、バスはまだ不通。
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富士見峠の登り
富士見峠の登り
 
燧ヶ岳
富士見峠から燧ヶ岳を見る
 
至仏山
アヤメ平から見る至仏山
 
燧ヶ岳
アヤメ平から見る燧ヶ岳

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