蝶・常念・一ノ俣(長野)

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同行者 H.T 1965.07.30 〜 08.03

07.31

松本着 3.48 上高地発 7.55−明神 8.40−徳沢発 10.0−長塀 15.00−蝶ヒュッテ着 16.30

08.01 

蝶ヒュッテ発 6.15−6.40 蝶頂 7.20−12.20 常念頂上13.50−常念小屋15.00

08.02 

常念小屋 6.35−常念滝 8.20−一の俣 9.55−上高地15.30


7月31日(土)曇後晴
上高地は小雨がパラつき、穂高もガスをかぶって陰鬱な感じ。まず朝メシを食い、ハガキを書いてから出発。今朝未明からT君が腹痛で苦しみだし、鎮痛剤で押さえているがまだいくぶん不安が残る。
徳沢のキャンプ場は、ギターを抱えたお兄ちゃんやショートパンツのお姉ちゃんに占領されて、山の感じがせず。
ここから右の尾根に取りつくと急に人のけはいが絶え、針葉樹林の中の急登が続く。急斜面の途中でラーメンを炊いて昼飯にする。木が茂り、雲も多く眺めはあまりよくない。再び苦しい登り。
長塀の上から振り返ると、穂高が正面に見えるがまだ雲をかぶっている。しかし雲量もだいぶ少なくなって、天気はよいほうに向かっているようだ。陽も照り出す。ここからは急な登りは少ないが、疲れが急に出てくる。急に森林限界を抜け出すと一面の草原になり、日光をさえぎるものもなくなり、とても暑い。
あえぎあえぎコブを越すと、左前方に蝶ヶ岳ヒュッテの赤屋根が見え、ハイマツに覆われた、はじめて見る高山の景観が開ける。丈の高いハイマツのかげに座り込んでゆっくりと休憩。
 
8月1日(日)快晴
朝早くから御来迎を見る。とても寒い。セーターの上にキルティングを着ているが、それでもまだ寒い。期待した雲海は見られず、東のほうはもやにかすんで何も見えない。もやの向こうから太陽が顔を出すという感じ。
6時過ぎヒュッテを出発。30分足らずで蝶ヶ岳の頂上に立つ。昨日とはうって変わって雲一つない快晴で、穂高連峰がすぐ間近に見える。少しばかり雪渓を残し、完全に岩の殿堂という感じがする。見れば見るほど圧倒される。
北のほうには今日のコース、岩を削ってこしらえたピラミッドのような常念岳が重量感を見せている。スケッチをしたり写真を撮ったり、ゆっくり眺望を楽しむ。
ここからしばらく行くと縦走路は樹林帯へ下り、お花畠にはクルマユリが咲き誇っている。今年は雪が少なくこの縦走路には全然雪がない。それだけまた花の咲くのも早かったらしく、今残っているのはほとんどクルマユリばかり。
常念の登りにかかると岩ばかりの道でとても暑い。少し道をはずれると、浮き石で前へ進めなくなる。しかし岩ばかりなので、踏み跡をよく見て歩かないことにはすぐ道をはずれる。たびたび岩かげで休憩する。
非常にノドがかわくが1Lの水ではすぐに残りが乏しくなって、思う存分飲めない。完全にへたばって、せまい岩かげで休んでいると、上から下りてきた登山客が「もうそこが頂上ですよ」とジュースを飲ませて励ましてくれる。この時のジュースのうまかったこと。
言われたとおりすぐ上が頂上で小さなほこらがまつってある。完全にノビてしまったが時間はまだ12時過ぎ。燕から跳ばしてきた連中が「ここから常念小屋までなら1時間ばかりで着くだろう」というので思う存分展望を楽しむ。大天井、槍、穂の稜線がすぐそこに見え、行きたい所ばかりだ。
昼寝も含めてゆっくり 1時間半休憩し、残りの水も全部飲んで下りにかかる。急な下りで、しばらく下りるとすぐ目の下に小屋が見えるが意外に時間がかかる。
小屋に着いたもののまだ日は高く、小屋の前のハイマツの中に寝ころんで、西岳の上に首をのぞかせている槍を眺める。
 
8月2日(月)晴れ
わずかに首を出している槍の穂先ともいよいよお別れして、小屋のすぐ裏手から下りにかかる。はじめのうちは木立ちの間をぬうようにして下り、ゴゼンタチバナやコバイケイソウなどの白色系の花が可憐だ。
やがて沢に出ると簡単な岩の下りになるが、ガイドブックに書いてあるようなスリル感はサラサラない。安全な道がずっとついている。ただ、河原をずっと下って、もう一の俣の出合が近いあたりに丸木橋が二カ所あり、すぐ下にはいかにも冷たそうな水が、とうとうと流れている。この丸木橋というやつが苦手で、少し長い方のはどうも重心がとれず、結局またがったまま尻で滑るようにしてわたる。
一の俣からは梓川ぞいの立派な道。ただし、しばらく前の大雨で土砂崩れが起き、ところどころ大きくえぐられている所がある。
横尾まで来ると、ここは唐沢に入る者のたまり場で予想以上の混雑。あちこちにテントが乱立している。ここから少しばかり上高地よりの、前穂の眺めのよいところに腰をおろしてメシを炊く。
3時半、上高地着。T君がここで泊まって帰ろうというので、案内人組合に安いところを問い合わせると、中日新聞社へ行きなさいとのこと。ここがバス停のすぐ近くで、料金は山小屋並みに安く風呂もあって申し分ない所。
今日の行程は全然疲れず、上高地で一番好きな田代池まで散歩に出かけたが、T君のほうが完全にバテてしまった感じで元気がなく、早々に小屋のほうへ引き返す。
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蝶ヶ岳の頂上
蝶ヶ岳の頂上
 
穂高連峰
蝶ヶ岳から見る穂高連峰
 
      槍ヶ岳
(上の写真の右に続く)槍ヶ岳
 
      常念岳
常念小屋から常念岳を見る

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