後立山連峰縦走(白馬・唐松・五竜・鹿島槍)(長野)

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同行者 M.H., Y 1966.08.04 〜 08.08

08.05 

信濃四谷−猿倉−白馬尻−白馬頂上山荘

08.06 

頂上山荘−猿倉山荘−不帰嶮−唐松岳−五竜小屋

08.07 

五竜小屋−キレット−鹿島槍−種池小屋

08.08 

種池小屋−扇沢−大町


8月5日(金)
早朝、信濃四谷に着く。夜があけたばかりでまだ日の出には間があり肌寒い。駅の真正面に白馬三山がそそり立っている。猿倉でバスを降り、いよいよ今日の行程がはじまる。
樹の多い道をぶらぶら行くと、約1 時間で白馬尻小屋に着く。下の河原におり、まず切れるように冷たい川の水で顔を洗い口をゆすいで、あまり食欲はないが弁当を開く。上のほうを見るとうす汚れた雪渓が見える。先輩のHさん、Yさんの二人は写真を撮るのに忙しそうだ。
ここから5分ほどで大雪渓にとりつく。雪の硬さがてごろでアイゼンは付けない。雪の白さと空の青さが美しく、あまり暑くもなく快適。全然リュックの重さも気にならない。時々うっすらとガスがかかって、詩的でもある。途中に大きなクレバスがあり、のぞき込むと完全に下は見えない。10mはありそう。
だいぶ寒さを感じてきた頃大雪渓を終わり、急な草付きのジグザグ道。シナノキンバイとミヤマキンポウゲが真っ盛り。やがて急な小雪渓を横切るといよいよ道の両側はお花畑。とにかく暑い。道ばたで昼飯にする。残念なことながらお花畑のところにはずっと針金が張ってあり、立ち入り禁止になっている。とにかく人が多く、全然絶え間がない。これではこの自衛手段もやむを得まい。
やっと頂上ホテルにたどり着くと時間はまだ1時半。荷物を置いて頂上に向かう。道の左側はなだらかなお花畑になっており、ウルップ草、ミヤマクワガタ、オダマキ、イワギキョウなどが多い。頂上の東側はものすごい絶壁。南から西の方を見ると野口五郎、薬師、立山、剣などが姿を見せ、かすかに黒部湖が見えている。天気が良く、この眺めだけでも来たかいがある。
風が強く、じっとしていると寒い。小屋の方までおりて、小屋の裏手の斜面でしばらく昼寝。ずっとお花畑で、下にしかれる花がかわいそうだ。コマクサが30cm間隔ぐらいで無数に咲いている。東側の斜面にはシナノキンバイ、キンポウゲ、ハクサンイチゲ、ハクサンフウロに混じってクロユリが多い。
 
8月6日(土)
風も強くひどいガス。まわりの地形がわからず、どこら辺を歩いているのかはっきりしない。しだいにガスはうすくなったが、東の信州側も西の黒部谷も雲が湧き起こって展望は良くない。
縦走路の西側はなだらかな斜面で高山植物が多い。ウサギギク、イワギキョウ、トウヤクリンドウ、イワカガミ、ヤナギラン、キバナノコマノツメ、ハクサンフウロ、チングルマ、イワオオギ、イワベンケイ、コマクサ、名前のわかるものだけでもこれだけある。
白馬鑓の手前で二羽の雷鳥が縦走路のほんの2〜3mの近い所、ハイマツの根元を散歩している。絶壁の上なので写真を撮る人はそのアングルに苦労している。
左手に鑓温泉へ向かう道を通りすぎるとめっきり人影は少なくなり、前も後ろも人の姿はない。雪田を斜断して天狗山荘に着く。小屋の前に池もあり、いかにも山小屋らしく感じのいい雰囲気。
しばらくの間、きれいに晴れて白馬鑓が良く見えたが、すぐガスに隠れてしまう。ここからしばらくは、なだらかな割に殺風景な尾根道。
いよいよ天狗の大下り。恐ろしいリーダーのついたMGHCという10人余りのパーティーが、つかえてなかなか前に行けないが、そのうち1 人が捻挫を起こしてしばらくストップ。先に行かせてもらう。
続いて不帰嶮。一峰は登りが急でしんどいが別に危険は感じない。二峰は少し緊張しかかる。足が滑ればおしまいだし、手のホールドが崩れてもそれまで。岩が風化していて浮き石が多い。
三峰頂上で昼飯にする。黒部の谷は相変わらず雲が多く、立山、剣方面は全然見えない。
唐松岳を経て唐松山荘まで来ると八方からきた連中だろうが、ものすごい人。まっすぐ五竜小屋へ向かう。こんなやせ尾根を歩くのははじめてだ。しかもずっと岩稜である。そのためかえって歩きやすいのかも知れない。続いてハイマツの登り下り、巻き道など以外に時間がかかり、かなりばてる。本当に疲れ切った頃、「後20分」の道標があり、元気をしぼり出して白岳を巻気味に通過、五竜小屋に着く。
ここはひどい。畳3枚に6人の詰めこみ。夕方、白岳の頂上から唐松が遠くに見え、あれだけを2時間で来たとはちょっと信じられない。五竜岳の姿を待ったが、なかなかガスは晴れない。
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白馬雪渓
白馬大雪渓
 
白馬雪渓
白馬大雪渓にて
 
頂上から見下ろす小屋
頂上から小屋を見下ろす
 
白馬岳頂上
白馬岳頂上にて

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