安達太良山(福島)

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1974.05.25

05.25 

小名浜5.00−塩沢7.30−八幡滝8.30−天狗の庭9.00−9.20くろがね小屋上雪渓10.10− 10.30鉄山10.50−11.30安達太良12.00−15.00塩沢15.30−小名浜18.30


5月25日(土)晴
昨日のぐずついた天気と打って変わって快晴。郡山、本宮あたりで近道のつもりが遠回りになり、塩沢で登山口がわからずにうろついたが、それでも2時間半で登山口着。
新しいザックはなかなかかつぎよい。スキー場の下を通って林の中へ入る。このあたりはミズナラ林と書いてある。いわゆるドングリの葉だ。やがて樺の木が混じりだすとこれはブナとウダイカンバと書いてある。このあたりからコブシの花が目につくが、もう散りかけである。シャクナゲは満開だが数が少ない。やがてごうごうと落ちる八幡滝に着く。
ここから僧悟台を通って笹平へ出る予定であったが、現在残雪が多く増水で通行禁止になっている。やむをえず左手の沢沿いに入り、くろがね小屋方面へ向かう。
まるでガクアジサイのようなオオカメノキが満開で真っ白な花を上に向けている。この辺まで来るとコブシの花もまだそれほど散っていない。何度か沢を渡り、小さな雪渓を横切ってやや開けた湿地帯に出る。天狗の庭だ。時期が早いのでまだほとんど花はない。乾いた所にかろうじてイワナシのかわいいピンクの花が、毛の生えたいかつい葉の上に不釣合に首をたれている。
イワカガミが多いが葉ばかり。樹林帯はほぼ終わり、丈の低い木ばかりでその下にはショウジョウバカマ。岳から来る道と合流して小屋に着く。
ここから上はふもとから見た優美さは全然ない。火山独特の岩ばかりの荒々しさだ。
真っ直ぐ馬の背に向かう。急な登りになると腹が減って仕方ないのでザックをおろし、サンドイッチを食う。ついでにスケッチを1枚。すぐ上の稜線で若者の一団がキャアキャア騒ぎながら走って行く。今日始めて見る登山者だ。
鉄山の上は帽子が飛ばされそうに風が強く冷たい。西側は絶壁で不気味な灰色をした旧火口湖だ。その向こうに磐梯山が見える。遠くに雪で真っ白なのは飯豊山だろう。
それより近くに、あまり変化の無さそうな黒い山の連なりは吾妻連峰。北側すぐ近くに見える丸い草原の山頂は箕輪山か。南方にはほとんどこれと当距離のところに岩の乳首がチョンと立っている。とにかく寒い。スケッチなどするどころではない。
乳首に向かう。絶えず帽子を片手で押さえていないと飛ばされそうだ。乳首のほうは登山者が多く、皆岩陰で弁当を食っている。岩の頂上からは猪苗代湖が一部見える。
東側は光線の具合であまりはっきりせず、阿武隈川は目に止まらない。頂上は寒いので10分程で切り上げ、岩かげでヤッケを着て紅茶をわかしパンをかじる。寒いのでまたすぐに歩き出す。岩ばかりなので道がはっきりしないがペンキの印を追っかけて下る。小屋からは朝と同じ道だ。時間があるのでスケッチをしたり、花をのぞいたり、できるだけゆっくり歩く。
車のところへ着いてからまだ時間も早いので草原の上で紅茶をわかし、カッコウの声を聞きながら疲れた足を休める。この山も結局は御岳と一緒で、登った後の満足感が少ない。樹林帯とガレ場のみで広いお花畠とハイ松の尾根道がないためだろう。

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