【関西百名山】大普賢岳(奈良)

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2001.05.26.

05.26 

和佐又ヒュッテ駐車場7:20 − 7:45和佐又山7:50 − 8:40日本岳 − 9:00小普賢岳 − 9:40大普賢岳9:55 − 11:10国見岳 − 11:30七曜岳(昼食)12:05 − 13:20無双洞13:30 − 13:50涸れ沢14:00 − 15:25和佐又コル − 15:35駐車場


5月26日(土)晴
駐車場に着くと、ホトトギスの鳴声が迎えてくれる。登山届を出して出発。
緩やかな坂を登って和佐又のコルから和佐又山を往復する。ここから大普賢岳の全景が望めるかと思っていたが、あまり視界は良くない。
和佐又コルの分岐から右手へ、ブナの原生林の中を登っていく。やがて伯母峰から続く尾根に着き当たり、この尾根の左手を巻いていくように道がついている。右手に朝日ノ窟、笙ノ窟など垂直な大岩壁が次々現れる。
この岩壁の切れたところから鉄バシゴで急な尾根に登る。登りついた鞍部に「日本岳」と書いた古い標柱が立っている。普通は尾根に登りつくと、そこから比較的楽な縦走になることが多いが、このコースは全くそういうことがない。
さらに鉄のハシゴをいくつも登り、岩の鼻と書かれた西側の展望が開けたところへ出る。この先もさらに鉄のハシゴが続くが、この付近はシャクナゲの花が美しい。
かなり疲れた頃に「小普賢岳」と書かれたところへ登りつくが、これもピークではない。シャクナゲの花越しに谷を隔てた向こうに大普賢岳に続く絶壁が見えている。昔ここで学生が遭難したのだろう、「友を庇いて千尋の」で始まる、その学生を偲ぶ詩が書かれている。
ここから、今まで登ってきたのを全部無駄にするような急な道を下り、再度登りなおす。やがて登りが緩やかになってくると山上ヶ岳から続く「奥駈け道」に出合う。この道に沿って5分あまりで大普賢岳の頂上に着く。
頂上の樹の陰に一人中年の人が休んでいる。今日山に入って始めて会う人だ。
この人の地図で谷を隔てて大きく聳える稲村岳とバリゴヤの頭、北寄りに山上ヶ岳、南の方に弥山、八経ヶ岳を確認する。大気が白っぽく、残念ながら遠方ははっきり見えない。
この人も七曜岳から和佐又へ戻る、僕と同じコースを歩くようで、先に出発するのを見送りもうしばらく地図を広げて休憩する。何年も前に奥駈けをした時にここも通っているはずだが、何も覚えていない。もっともその時はずっと雨にたたられたので風景は全く見えておらず、仕方のないことか。
南に向かって出発。少し下ったシャクナゲの咲く笹原で、先ほどの人がまた休憩している。この付近は本当にシャクナゲが多い。ちょうど今が一番いい時期なのだろう。その先に大きな荷物を担いだままで若い男が休憩している。奥駈けをする学生のように見えるが、最近は山でこのような青年に会うことがほとんどない。
どこで鳴いているのか分からないが、時々カッコウの鳴声が聞こえる。裏磐梯あたりでよく聞いたが、関西でこの鳴声を聞くのは始めてだ。
知らぬ間に弥勒岳も通り過ぎ、アングルと鉄鎖で岩を越える悪場があるが、ここから大普賢岳がよく見える。大普賢岳、小普賢岳、日本岳とピークが並んでいる。
さらにこの先、国見岳のすぐ手前で大普賢岳がよく見える場所がある。
東北の方角遠くにピークが三つ見えるが、広い範囲の地図を持っていないので、何山か分からない。ここの景色に引かれて昼飯にしようかと思ったが、まだ先が長いので七曜岳まで行こうと考え直す。
このすぐ横のピークで、ここが国見岳のはずだがなあと思ってあたりを見回すと、マジックインキで国見岳と書いた小さな白い板が木に止めてある。
七曜岳に向かう途中、二箇所で道を見失う。道順を示す赤いテープがどこにも見当たらず、どう行くべきかウロウロしていると、思いがけぬ所から逆回りの人が姿を見せてくれて助かる。
鎖場の岩を攀じ登ると展望が開ける。相変わらず標識は何もないがこれが七曜岳だろう。月曜、火曜、水曜と書いた板が七枚、柱に止めてある。展望のいいこの岩の上で昼食と思ったが、日陰がなく暑いのですぐしたのシャクナゲ林で昼飯にする。
しかし腰をおろすとすぐにコバエを含めた小さな羽虫が顔の回りに群がってくる。それを追い払いながら握り飯を食ったが、羽虫が目や鼻の穴にまで入り込んでくる。この時期、この天気でこんな場所で昼飯を食うものではないことがよく分かった。
この場所からほんの数分で無双洞に下る分岐点になるが、この登山道でたまにある案内板は全て天理大VW部のものばかり、この案内板で大助かりだ。これがなければ全く案内板のない登山道になってしまう。
最初は急な下りだがそのうち幅の広い尾根道になり、どこでも下りられるためにまた道を見失う。赤いテープが見つかるところまで引き返し、慎重に下る。やがて水の音が聞こえてくるが、なかなか水の見える場所には来ない。
沢は左側だけなのに右手からも勢いよく水が流れ出し、それが合流している地点に来る。無双洞だ。大きな岩の下を覗きこんで見ると岩に丸い穴があいて、そこから水が流れ出ている。合流した水はすぐ先で、大きな一枚岩の上を滝になって小気味よく奔り落ちていく。
この滝を見たいと思うが道はどんどん離れて行き、やがて水の全くない沢に来る。「20m上を右に入る」という標識があるが、この入り口をまた間違える。
岩にペンキで印を付けてくれれば分かりやすいのに自然保護のためか単にペンキを使うことを思いつかないだけか、ここはテープと土に刺すプラスチックの板だけなので、とても道が分かりにくい。テープの数も少なく、「底なし井戸」にたどり着くまで迷い迷いという感じだ。
下り道にこんな急な登りがあるとは思っておらず、道も分かりにくく疲れきり、ほぼ登りきったと思われるあたりでへたり込んでしまう。ここから先は道もはっきりして、ほとんど登りはなく和佐又コルに着く。
ヒュッテに戻ると、裏の森で相変わらずホトトギスが元気よく鳴いている。
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稲村ヶ岳
大普賢岳付近はシャクナゲが満開
 
シャクナゲ
大普賢岳頂上から見る稲村ヶ岳
 
大普賢岳、小普賢岳、日本岳
左から大普賢岳、小普賢岳、日本岳
 
無双洞
水がわき出している無双洞

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