羅臼岳(北海道)

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2001.09.01日

09.01 

木下小屋横駐車場6:05−弥三吉水7:35−頂上まで3kmの標識8:05−大沢(小休止)8:50−羅臼平10:00−頂上10:59−羅臼平12:00−12:30大沢上部で昼食12:45−15:00木下小屋


9月1日(雨)
民宿の朝食用おにぎりを持って雨の中を5時過ぎに出発。朝の道は鹿が多い。車道のすぐ脇で樹の葉を食べているのか、車を止めても逃げようとしない。これはエゾシカなのだろう。
ホテル地の涯の駐車場で登山口を尋ねると「大丈夫かい?」「何が?」「こんな雨で誰も山へのぼってないよ」「行けるとこまで行ってくるわ」。登山口駐車場でおにぎりを食べた後、雨具とスパッツを付けていると出発は6時過ぎになる。
登山届をポストに入れ、ひたすら登っていく。ずっと樹林帯が続き、たとえこれが切れたところでガスで何も見えない。
「熊が多いから声を出して歩け」というようなことが書いてあるが、一人歩きではなかなか声も出せない。
大沢の上部、急な登り付近ではとても風が強くなる。下ってくる人がおり、「頂上まで行ったんですか?」「とても風が強いよ」と返事していたが、頂上に行ったにしては時間が早すぎる。
ハイマツが現われてくると坂が緩くなり、やがて広々した(と言ってもガスで何も見えないが)羅臼平。すぐ三叉路があり、道標はなく山も見えずどちらに行けばいいのか分からない。雨風の中では地図を出すのも一苦労。吹き飛ばされそうな地図を何とか開いて道を確かめ、右に向かう。
すぐ緩い登りになり、徐々に傾斜がきつくなるにしたがい大きな岩が出てくる。
風はますます強く、体がよろめく。最後のほうは岩の急登になる。頂上付近はすごい風でとても立って歩ける状態ではない。すぐそこに頂上の標識が立っているが、狭い岩場でそこまで行けない。帽子が飛ばされそうで、これを片手で抑えていると全く動けない。
ふと後を見るといつの間にか若い女性が一人待っている。とにかく帽子を何とかしようと場所を譲り、雨具のポケットに突っ込む。この女性は狭い岩の上を這っていくと手を伸ばして標識の基部にさわり、すぐ引き返していく。僕も同じような格好で何とか標識にタッチし引き返す。
岩の陰に戻ってすぐポケットを見たが、結局帽子は飛ばされてしまったようだ。風雨の中、すぐ険しい岩の道を下るが、先ほどの女性は全く姿も見えない。ひょっとすると幻だったのだろうか。
他に出会ったのは男性三人組と単独の若い男、それに羅臼平で道を間違いかけていた夫婦連れだ。この天気では昼飯を食うのもままならない。羅臼平と大沢上部の険しいところも過ぎると、だいぶ風が弱まる。幸い雨も小降りになるので、ここで昼飯代わりのカステラを食う。
登るときには気付かなかったが、銀冷水と書いてあるところにはテント場があり、このあたりはあまり風もない。これならテントでも張れるなと思っていたら、弥三吉水の近くでテントを担いだ外人カップルに会う。「頂上の下でテント張れるか?」と聞くので、「このしばらく先なら張れるが頂上の下は風がきつくてだめだ」と答えたが、うまく通じただろうか。
今日はあまりの強風で、山頂の証拠写真も撮れず非常に残念。2日後の雌阿寒で聞いた話によると、「2日前は天気が悪くて、羅臼に登った人は3、4人しかいなかった」とのことだが、実際は少なくとも6、7人登っているだろう。いずれにしろ、このうちの一人は僕だ。
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ヒグマに注意の看板
ヒグマに注意の看板
 
羅臼平
ガスのかかる羅臼平
 
山頂に向かう斜面
羅臼平から山頂に向かう斜面にて

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