５月１９日（火）晴
千葉県の最高峰は400ｍをわずかに越した愛宕山であるが、意外に登りにくい。というのは航空自衛隊がこの山を占拠しており、勝手に行っても立ち入りが許可されない。ＮＥＴの各県最高峰のコーナーでも、愛宕山は自衛隊入口の写真が載っているだけでお茶を濁しているものが大半である。
この山に登ってみようと思い、まず役場に電話してこの自衛隊基地の電話番号を聞き、前もってこちらの希望日を伝える。毎日入山が許可されるわけではなく、何曜日と決まっている。18日の月曜を希望したところ、19日の火曜12時を指定された。千葉県を縦に走る国道410号を南から北上すると、酪農の里を越えてすぐ航空自衛隊峰岡山分屯基地の看板が立っており、山の中に自衛隊専用道路が延びている。

峰岡山分屯基地の看板	自衛隊の専用道路

やがて関係者以外立ち入り禁止の札が張ってあり、このまま進んでいいのかどうか一瞬躊躇する。そのまま進んでいくと、車止めを並べた基地の入口に着く。

立ち入り禁止の札	基地の入口

指定された時間より30分近く早かったが、住所氏名を書かされた後、基地内の門のすぐそばに車を入れるよう指示される。この場所のほうが後に行く愛宕山よりずっと見晴らしがよく、遠くに千葉県の山並みが広がっていた。

車止めを置いた守衛室	車を置いた場所からの見晴らし

まもなく若い女性隊員がやってきて、彼女が案内してくれる。大きな建物前を回りこんでいくと、急に山手に石段が延びている。これが愛宕山の登山口である。去年１年で600人を案内したそうだが、そのうち1回は200名という小学生の団体で、そのときは何人か応援を頼んだそうだ。時期的には冬場が多く、「5月を過ぎると皆さんもっと高い山に行かれるのではないですか？」と言っていた。

入口近くの大きな建物	愛宕山登山口

まもなく古ぼけた赤い鳥居があり、その上に小さな社がある。これが愛宕神社だそうだ。

愛宕神社の鳥居	小さな愛宕神社

階段はまだまだ続く。希望者があるときはいつもこの女性隊員が案内することになっているらしく、おかげでとても足が強くなったと言っていた。20名ぐらいまでならこの女性一人で案内し、それより多くなると応援を頼むらしい。階段の傾斜が緩くなってくると頂上は近い。

階段はまだまだ続く	傾斜が緩くなると頂上が近い

頂上には「千葉県最高峰　愛宕山三角点（４０８．２Ｍ）」と書いた、まだ比較的新しい標柱が立てられていた。周囲に木が茂っていて回りは殆ど何も見えない。案内役の女性隊員の写真を撮らせてくれと頼むと、顔がよく見えるようにわざわざ帽子を取ってくれた。ＮＥＴで公表するので分かりにくいように横向きでもいいと言ったが、「私なら平気です」と言って正面を向いてくれた。この後、名刺大の千葉県最高峰登頂記念証を貰った。

愛宕山標柱と案内してくれた女性隊員	愛宕山登頂記念証

下りに進軍ラッパの音が鳴り出した。会社のチャイムやサイレンに相当するものだそうで、朝夕と正午、午後3時になるそうだ。