7月10日(金)曇 |
阪南市に琵琶ヶ岸懸(びわががけ)という地名で山中川沿いの少し危険な場所があり、そこが昔の熊野古道の跡だと聞いたので行ってみた。
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和泉鳥取駅前を山手に行くとすぐガードをくぐった先の交差点にでる。右に折れれば山中渓へ向かい、直進すれば雨山の住宅街に入る。ここを貸ガレージが並んだ右斜めの細い道に入る。
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入口には雨山のほうに向かう松風荘苑の立派な案内板と並んで「熊野古道 びわがけ 300m 地蔵堂王子500m」と書いた手書きの案内板と、その下には「琵琶崖」とマジックで書いた板が立ててある。
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来た方角を振り返ると道の向こうに大きな鳥居が立っている。鳥居の向こうには和泉鳥取駅しかないし、逆側は雨山があるだけなので何のための鳥居かよく分からない。
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確かめるため近づいてみると「波太神社伏拝鳥居」と書いた案内板が立っている。今は民家や山中川沿いに茂る竹やぶと樹木で遠くは見えないが、昔はここから波太神社が見えたのだろう。
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引き返して全てシャッターの閉じたままの貸ガレージの前を行くと車止めがあり、その向こうには右手に水道局の無人の建物、路面には汚水溜め(?)のマンホールが並び雑草が生い茂ってとても道ではないように見える。
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ところがここを過ぎると道も広く木が生い茂った気持ちのよい場所になる。右下は山中川、左側は山に続く土手になっている。
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やがて「熊野古道 ――平安の小道―― 平安の昔のままの面影を今に残している小径である。」と書いた案内板と「びわがけ 50m 地蔵堂王子 150m」と書いた案内板があり、さらに頭上には「熊野古道 ‥‥平安の小径‥‥ 熊野参詣の昔のままの面影を今も残しているのがこの小径であります。また、江戸時代には紀州徳川公の参勤交代の道でもありました」という看板が出ている。 |
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この先に琵琶ヶ岸懸(びわががけ)の案内板があり、昔、琵琶法師がここで転落し、琵琶が途中の崖に引っかかっており、谷底の水音が「コロンコロン」と琵琶の音のように聞こえたので琵琶ヶ岸懸と呼ぶようになったこと、熊の参詣の難所の一つだったことなどが書いてある。
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この先、道は大きくえぐれて道幅は50cmほどで、しかも路面は谷に向かって大きく傾いており、左手は石崖でつかむところがない。縄が1本渡してあるのでバランスをとるためだけにこの縄をつかんで慎重に渡る。
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ここを歩いているときは谷底を見る余裕など全くないが、渡りきって安全な場所から下を覗くと、深い谷底に山中川が白い泡を立てて流れているのが見えた。
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この少し先には日本道路公団の標識が立っていて、左手は近畿自動車道のコンクリートの法面になっており、その先には住宅も見えてくる。
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住宅街の中ほどに小さな公園があり、その前に「地蔵堂王子」と書いたライオンズクラブの案内板が立っている。この付近には地蔵堂王子の標識がまったくないので、ここは非常に分かりにくい。この住宅街を抜けると山中渓へ向かう府道に出る。
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