北岳−間ノ岳−塩見岳 縦走(長野)

同行者 K 兄 1968.08.02〜08.06

08.03

 広河原 10.00発−10.30 昼食 11.00−水場 12.00−12.20 御池 12.45−樹林限界 14.20−小太郎尾根15.00−肩小屋着 16.00 就寝 20.30

08.04

 起床 5.00  出発 5.50−北岳 6.20−稜線小屋 7.40−中白峰 8.20−10.50 間ノ岳(昼食)11.45−12.15 三峰岳 12.50−熊平小屋着 13.50

08.05

 起床 3.10  出発 4.35−展望台 5.45−水場 7.05−北俣岳 8.40−9.25塩見岳 9.55 −10.30 塩見小屋跡 10.45−三伏峠小屋 14.30   就寝 8.00

08.06

 起床 4.50  出発 5.25−6.45 尾根取付点(水場)7.05−塩川 7.40


8月3日(土)曇 map
甲府7時着。バス乗り場は北アの入り口のように人の後について行けばいいというような訳には行かない。切符売り場に人はいないし、山姿の男も少なく、だいたい駅前に弁当を売っていない。通勤客と同じバスに乗りこむ。従って繁華街を通りすぎればバスはガラ空き。
芦安でバスを乗り換え、広河原着は10時。登山口に道標も登山者もなく、車中で寝こんでいる人を起こして尋ねる。
吊橋を渡るとすぐに狭い小道で登りにかかる。前後に人の姿は全く見えず、さすがに南アは人が少ない。大樺沢からはずれると道は急になり、樹林帯の中で見通しは全くない。しばらく歩いたところで朝昼を兼ねた食事をとる。2.3 のパーティーが通り過ぎるだけで静かなものだ。
水場からは道はかなり平坦になり、やがて御池小屋に着く。付近は高校生らしい若者の団体が騒いでおりにぎやかだ。あまりに汚い小屋で、とても中で休む気にはなれず、御池の上のキャンプ場で休憩。
このあたりは樹林も開けて、晴れておれば気持ちいいだろうが、あいにくの曇天で前方も上のほうはガスで何も見えず、池の水も濁って汚い。テントが10張り足らず。この真っ昼間にテントを張って騒いでいるのはどういうつもりか。
ここからお花畑の中の急登になる。まもなく尾根に回って再び樹林帯に入るが、これも急登。こんな急な登りははじめてだ。1ピッチ30分であったのが次第に間隔が短くなり、10〜15分歩いて10分休憩のペースになる。
2時過ぎ、やっと重苦しい樹林帯を抜け、草付きになるが相変わらずガスで見通しはない。草付きを2ピッチで登りきると、やっと稜線にたどり着き、待ちかねた岩とハイマツの世界になる。
ガス、岩、ハイマツで雷鳥のお膳立ては整い、後立山と同様雷鳥の親子連れが姿を見せる。人間は全く気にせず登山道の上で砂遊びを始め、道をゆずってくれない。50cm位に近づくと、やっと思い腰をあげてヨタヨタと動き出す始末。
小屋に着くとさすがに人が多く北アに劣らぬ満員。夕食も終わって日没の少し前、奇跡的にガスが晴れる。東側は鳳凰山が雲の上から花崗岩の白い頭を見せ、北は甲斐駒が迫力をもってピラミダルにそびえ、西は仙丈が優美な山容を横たえている。
小屋のすぐ南は北岳の頂上であろう。1時間足らずで到達できそうだ。日没の瞬間、仙丈の北西に浮かぶ雲海が一面に金色に輝き壮麗である。
 
8月4日(日)晴 map
天気は良いが東方にモヤがかかって冴えない御来迎。北岳頂上からは昨夕の眺めとほぼ同じ。南方にはこれからたどる中白峰、間ノ岳が背を並べ、その少し西方はるかにそびえるのは塩見岳か。さすがに富士は大きいが非常にうすくしか見えない。
今日の行程は距離が短いのでとても気が楽だ。しかも間ノ岳までの稜線は槍・南岳間、あるいはそれよりも蝶岳稜線付近に似た感じで比較的上り下りも少なく、ハイマツと岩に囲まれた楽園である。間ノ岳頂上直下にはこのコース唯一の雪渓があり、雪を食べたりコーヒーを沸かしたりして遊ぶ。
間ノ岳頂上で昼食。すぐ南は農鳥岳。ここから見た感じではこれを半日で往復するのは大変に見えるが、現にここを往復してから熊の平に向かう者がいるらしい。塩見は中腹からガスをかぶっており、その向こうに大きくそそり立つのが荒川か赤石か。
間ノ岳から三峰の方に向かうと人影は急に少なくなる。一気に下るとやがて樹林帯に入り、シナノキンバイの群落にかこまれて水の湧き出る熊の平に着く。小屋は非常に空いており、窓も大きく明るくこれまでの山行のうちで一番気持ちよい。必要以上に休憩を取り、できるだけゆっくりしたつもりだったが、それでも小屋に着いたのは2時前でまだ早い。
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雷鳥
雷鳥の親子
 
甲斐駒ヶ岳
北岳から見る甲斐駒ヶ岳
 
間ノ岳方面
北岳頂上から見る間ノ岳方面
 
北岳
間ノ岳から見る北岳

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